路地を抜けると、其処はまるで、江戸時代にでもタイムスリップしたかのような、そんな雰囲気の町並みが広がっていた。
静かな町並みは少し不気味だが、何故か今すぐに引き返したいとか、そんな気分にはならなかった。
むしろ、何処か懐かしいような…切ない、胸が締め付けられるようなそんな不思議な感覚に襲われた。
暫く町並みは続き、ここまで誰一人と会わぬまま再び細い路地へと入っていく。
狭い路地を歩いていると、赤い鳥居が一列に沢山並んだ階段が目の前に現れた。
階段の先は白い霧が出ていて見えない…
本来なら此処で引き返す事は出来た筈だった。
しかし、怖さよりも好奇心が勝ってしまい、僕(私)はその階段を上っていく。
霧に包まれた鳥居の階段を上りきると、目の前に生け垣に囲まれた、大きな古い門のある和風な家があった。
古い門はまるで、僕(私)が来ることを知っていたかのように開かれる。
全て開ききった後、まるで吸い寄せられるかのようにゆっくりと門を潜っていく。
その後、彼(彼女)がどうなったかは誰も知らない。
ー…さぁ、おいで?夢に迷いし魂よ……
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