. 2014-12-20 11:06:23 |
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あは、オカマちゃんが経営する本格喫茶。面白いけど(相手の台詞は実によく聞くこの店の印象。笑みをきゅ、と深め、冗談めかして言っては、彼の動く視線を自然に追い。その先の、人工的に長くカールされた睫毛の影を頬に落として怪談小説に没頭するオカマをちらり見遣れば「あの人には無理かな」と肩を竦め。カウンターの前に並ぶ椅子はオカマの趣味と惰性で全て形が違う。自分よりも随分健康的で厚みのある長身を前にすればその人物がどんな体勢だろうと威圧感を感じるのは自分の問題だがそれも含め、そう、一言で言うなら好みの、雰囲気のある笑みを浮かべる彼の隣、木製のスツールにスマートに納まり。まだ火を消すには長い煙草を灰皿に押し付け、お任せという言葉に、あー、という声と共に遠慮無く苦笑を洩らして。お任せ。苦手だ。ぎこちなく立ち上がり中途半端に折れたシャツの袖を捲り直し、もさりと頬に掛かる髪の毛を左耳に掛けながらカウンターの中に回れば、とりあえずスタンダードなものをと目についたドライジンのボトルを手にしたはいいがグラスに氷を入れたところで普通は有り得ないのだろうがトニックウォーターが切れているのに気付き、さっきの買出しは何だったんだと呆れつつ。すっきりめの方が似合う、という独断と偏見から、ジンジャエールと一瞬迷ったが炭酸水を、気分では無いという言葉を受けて少し多めに、ライムは搾らずにただ添えるだけにして出来上がった軽めのジン・リッキーもどきをす、と彼の前に穏やかな所作で置き、「こんな感じで」と目線を合わせるのは何処か気恥ずかしくはにかんで視線を落とし)
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