ああ、おかしい。俺たちは男同士だ……(そう言う声は困惑を隠せていないが、離された手を再度掴みぎゅっと握り締めて。相手の肩に額を置き、目を閉じて。)ずるいわ、お前。そんな風に言われたら、もう戻れねぇよ。(暫くそうしていたが、余裕のない声音で囁くと顔を上げ、空いている片手を相手の頬にやり、そっと撫でて。相手を見つめる瞳は愛しげで、僅かに熱を帯びて。)