「これはね、魔法の飴なんだよ」
あの日、僕は君に飴をもらった。
小さな小さなその飴は、絶望の淵に立たされていた僕の心に明るみを灯した。
小さな小さなその飴を、僕は大事にとっておいたけど、いつしかそれをなくしてしまった。
そうして絶望は絶望のままで年月が経ち、高校生になった僕は肺炎で入院した。
__もう、このまま終わりにしてしまおうか。
世界に絶望していた僕は、それなのに屋上のフェンスに手をかけたまま泣いていた。
無意味に綺麗な空が恨めしくて。
「__どうして泣いているの?」
その声は僕を振り向かせた。
立入禁止の屋上で自分以外の人がいるということが、あまりにも僕を驚かせたから。
泣いている僕を見て、その人は僕に小さな小さな飴を差し出した。
「これはね、魔法の飴なんだよ」
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