須藤 香苗 2014-11-26 17:55:18 |
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いつまでここにいればいいんだろう
(心の中でぼやきながらステンドグラスの飾りがついたガラスのドアの前に立つ。デイルームから繋がっているそのドアを開くと四角い大きな庭に出る。木でできた遊歩道のまわりに雑草や針葉樹の木、花はほぼ枯れているが庭の奥だけで大きな寒椿が真っ赤な花びらを散らしていた
そこまでたどり着こうの足を運ぶが、一歩踏み出すごとに「何のため」「何のため」と心が叫んで体が重い)
俺は死んでいく友達を見た、彼は統合失調症だった。幻覚を毎日のように見て、母親の顔が「カラフルな炭になった」と供述していて、父親がいつもくれよんの落書きのような真っ赤な顔をしている、僕を社会的に殺そうとしている、二人は僕を生まなかった方がいいと話している、そんなことを言って、ついには耐えられず俺に「死ぬかもしれない」と一言残して、音信不通が続いている
だから死んだかわからないが、俺にとっては死んだようなものだった、ある日から俺にべったりと起きてから寝るまで張り付いていた奴だ、そんな奴から返事がないのだ
彼は負けたのだ。自分の妄想と、現実の十字架に
「裏切りだ」
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