ブラック 2014-10-18 07:11:51 |
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【教師と生徒と補習】※オリキャラ有り
俺の大事な休暇を潰した奴が居る。
長期休暇のはずが大体3分の1しか休みが取れない。
原因は補習。
俺の大事な大事な休暇を潰したアイツの顔を見に、今日も学校に向かう。
職員室のドアを開いて数少ない荷物を置いて、コーヒーを飲む。
アイツが来るのは大体30分後。
指定した時間の10分前に来るのが良いところ。
30分間何をしようかと考えたが、課題を作って残り20分となったところで携帯が鳴った。
アイツからだ。
今日休みますとかだったらぶっ飛ばしに行こうと決めて携帯を開く。
メールではなく電話だったので、通話ボタンを押した。
『もしもし、クロハ先生ですか?恋也(れんや)です』
何で生徒が俺の携帯電話を知っているかは、急に用事が出来た時に連絡が出来なかったら困るからと言う理由で教えた。
「あぁ、俺だ」
いつもの低い声で言った瞬間外から車が通る音が聞こえた。
数秒後、携帯の向こうから先ほど聞いた車の通る音が聞こえて何となく理解はした。
『あの…裏門が閉まってて入れません』
「あぁ分かった」
そこで通話を終了して裏門に行く。
裏門が見えた頃、金髪の髪が見えていつも通りに制服を着こなしていた。
姿が見えたところで金髪の少年、六条道恋也は端末を弄っていて時に空を見上げたり、地面を見たり、端末から目を逸らしている。
裏門を開けて、端末を取り上げる。
「ここは学校だ。しかも今から補習だ。端末は仕舞え」
六条道(ろくじょうどう)は俺が取り上げた端末を必死で取り返そうとしている。
182cmの俺からみたら173cmの六条道は小さく見えた。
端末に何かあるのかと思い、端末の画面を見ると俺は端末の電源をぶち切って自分のポケットの中に仕舞い込んだ。
「ちょっ、俺の端末返してください…」
六条道の端末にはの画面には何があったと思う?
端末を壊さないだけマシだろう。
隠し撮りされていたとは俺もこれからは気をつけないと。
六条道の端末には俺の隠し撮り写真や、ムービーなのがあった。
一瞬で壊したくなったがな。
「クロハ先生返してください!」
「んなもん見てる暇があったら赤点とらねぇように勉強しろ」
「え?嫌です」
一度殴りたいが、そんな事をすれば俺は教師失格だろう。
ぐっと堪えて裏門から職員室に向かう。
「ちぇ。折角裏門の鍵閉めたのに」
舌を打つ音と、聞き流せないセリフが聞こえた。
何となく疑問には思っていた。
何故裏門が閉まっているのかと。
俺が学校に入ったのも裏門なので、開いているはずだがどうしてか六条道が来る時には閉まっていた。
何故か可笑しいと思っていたらコイツが犯人か。
「お前か…」
振り返って睨んでみると六条道は表情を変えず、笑っていた。
不思議な感覚がして変な気持ちに襲われた。
多分、笑っているの目の前で見た事がないからだ。
「ん?どうしました、クロハ先生」
「いや、何でもない。職員室で待ってろ」
「先生が先に行かないんですか?」
「あぁ、ちょっと用事を済ましてから行く」
分かりましたと俺の横を通り抜けて行って、職員用玄関の方へ向かう。
俺は六条道の端末を取り出し、電源を付けてさっきの画像を全てチェックし削除する。
映像は後で確認しようと思い電源を切って職員室に向かう。
職員室のドアを開けると六条道は、ドアのすぐ隣の遅刻届けを書くスペースに凭れていた。
「用事は終りましたか?」
「ある程度はな」
「そうですか」
それ以上の事は聞いてこなくて、俺が指示した席に腰を下ろして鞄も机の下に置く。
俺は課題を六条道に渡して取りに行くものがあると行って職員室を出た。
俺はそのまま廊下に出て職員室から離れた場所で映像を確認した。
『九ノ瀬さん、今度の休み皆で食事に行くんですけどどうですか?』
『あ、すみません。用事があって行けないです』
最新の映像はつい最近の事で、俺が適当に断った時の映像。
大体が誘われても断っているので断った映像の方が多い気もする。
結構な数があって、1つずつ削除するが面倒になって先に全部見てから削除しようと決めたら、ふと目に映った単語がフォルダとして書いてあった。
フォルダ1【数学 課題】。
開くと更に細かく分けられていて、一つずつ見ていくと今日以外全ての補習の課題を作っている俺の姿があった。
こんな映像撮られていたのか。
フォルダ2【授業】。
フォルダ2は授業をしている俺の映像。
俺以外にも黒板や教科書とノートも映し出されている。
これはあの復習にでも使うんだろう。
削除対象から外そうとしてたら、フォルダ2の中にフォルダAがあった。
フォルダA【クロハ先生】
俺だけが映されていて、音声も入っていた。
丸秘フォルダ【コノクロ】
少し嫌な予感がしたが、開いてみると俺の予想通りに嫌な予感が的中した。
『クロハお疲れジュースあげる』
『んぁ?さんきゅ』
『クロハそのジュース媚薬入ってる』
『ぶっ!!』
俺は媚薬の入った飲み物を飲まされそのままコノハに抱かれた事がある。
フォルダAは削除。
大体のフォルダの削除が終って職員室に戻ろうと後ろを振り返ると、六条道が居た。
とかではなく誰も居なくてそのまま職員室に戻った。
「クロハ先生課題終りましたよ」
いつの間にか六条道は課題を終えて端末を弄っていた。
ん?端末?
俺が持ってるのは六条道の端末。
じゃぁ、六条道は誰の端末を持っているんだ?
「お前、その端末誰のだ?」
「自分のです。すぐに仕舞いますよ」
六条道は端末を仕舞って俺に課題のプリントを見せた。
俺はプリントを受け取り採点を始めるが、全部あっている。
間違いはなかった。
「お前、数学できるんだよな?全部正解だよな?何で赤点取るんだ?」
俺の質問に六条道は即答した。
「クロハ先生の補習が好きだからです」
笑いながら即答した六条道を一発殴りたいと心の底から思ったが、ぐっと堪えて新しいプリントを渡す。
六条道は受け取りものの10分で全ての問題を解いた。
しかも途中式すら書かずに答えだけを書いた。
「出来ましたよ」
そう言って渡されたプリントは全部正解で何でか悔しくなる。
一度だけ間違わせたいと思ってしまう。
「お前大学の数学やってみろ」
大学受験の問題をコピーしてプリントを渡す。
六条道はいつものすまし顔で問題を解いていた。
そして15分後。
「…全部あってる」
採点をすれば全問正解で悔しい。
すると六条道が急に提案してきた。
「俺に間違わせたいならクロハ先生が手作りで問題を作ってみては?数学以外でも何でも」
六条道にそう言われ1つの提案が浮かんだ。
口角を上げて笑いながら今日はもう良いと言って六条道を帰らせた。
次の日、俺は職員室に自分で作った問題を持ってきて、六条道が来るのを待った。
六条道はいつもの時間に来て、いつもの席に腰を下ろした。
「じゃぁ、このプリントの問題を解いてみろ」
素っ気無く渡しながら俺は六条道の表情を観察した。
俺が作った問題集はこうだ。
問題A
次の式に当てはまるものを答えなさい。
1鶏肉+ネギ=
2パン+卵+牛乳+砂糖=
問題B
色から連想されるものを答えなさい。
1黒+白=
2白+茶色=
最終問題
言葉と人で表されるものを書答えなさい。
1数学+人=
ちなみに答えがこう。
問題A
1ねぎま
2フレンチトースト
問題B
1珈琲
2タバコ
最終問題
3俺
問題Bまで解けたとしても最後は解けないはずだ。
なんせこの学校には数学教師は俺を合わせて3人居る。
数学補佐も合わせたら5人居る。
その中から誰を選ぶ。
俺以外だとこの問題はハズレ。
「あ、れ~?」
六条道の声が聞こえた。
何処の問題で躓いてるのかは知らないが何だか嬉しい気分になった。
解らないだろう、解らないだろう。
俺は間違ってくれと思いつつ、六条道を観察している。
「あー、こうで良いか。出来ましたよ」
「ん」
プリントを受け取り採点をしようとしたら、六条道の答えが合っていた。
いや、待て。
最初の問題の答えをはさみと書いてあるこれは間違いか?
「六条道最初の問題のはさみってあれか?紙を切るはさみか?」
「違いますよ、焼き鳥のはさみです。違う言い方をすればねぎまです」
やられた。
最終問題は何故か知らないけど、『クロハ先生』って書いてあった。
つまり、全問正解。
「全部合ってるぞ」
プリントを受け取り嬉しそうにもしないでコイツはプリントを仕舞った。
急にポケットから振動がきて携帯だろうと出してみると、六条道の端末でそういえば返してないのを思い出し六条道に渡した。
「有難う御座います」
六条道は端末の電源を切ってポケットに仕舞いこみ俺のほうを見てくる。
いつもその視線が好まない。
見透かされてるような感じがして気持ちが悪い。
「今日は昨日のプリントの続きをやったら帰って良いぞ」
プリントを渡し、六条道が問題を解いて帰っていった。
今日は普通に学校で3分の1の休みも取って学校に向かう。
生徒達が登校してきて、自分のクラスに入って思う。
六条道が居ない。
いつも必ず居る奴が居ないと物寂しいものだと思いつつ、出席をとる。
俺は六条道の担任でもあるから六条道を欠席にした。
きっと風邪でも引いたんだろう。
何時間目かは忘れたが、数学があってテスト範囲や新しいとこを教えて一日が終った。
暫く職員室に居ると六条道からメールが届いて開けてみると一文だけ書かれていた。
『貴方が好きです』
俺の返事を待つ前に六条道は転校すると校長から聞かされた。
【教師と生徒と補習】END
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