ブラック 2014-10-18 07:11:51 |
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【疑問に思った事】
とある炎天下の中、オレは冷房が効いているアジトに居る。
今日という今日こそ、オレをヒキニートと言う奴を懲らしめるため。
今日はモモは仕事、ヒビヤは学校の為メカクシ団二名が居ないが、アイツらはオレをニートと呼ぼうが別に問題はない。
アジトにはオレを含めて七人いる。
キド、セト、カノ、マリー、エネ、オレ、コノハの七人が各自好きなことをしている。
キドはソファに腰掛け、カノはキドの隣で雑誌を読んでいる。
オレはスマホを充電させ電源を切っている。
この際エネは関係がない。
そろそろ本題を言おうか。
オレは立ち上がり、アジト全体に聞こえるように言い放つ。
「お前等人の事ニートニート言ってる割には、モモとセトとヒビヤ以外まともに仕事してねーだろ!!?」
いきなり叫びだしたオレに驚いてマリーはびくりと肩を揺らす。
この際可愛いからマリーは除外……じゃなくて。
キドは「何が言いたいんだ?」と言う目を向けてきたが、カノのニヤニヤした表情のせいで腹が立ってくる。
「わっ、私もお仕事してるもん!」
マリーが頬を膨らましながら言ってくる、可愛い…。
「内職だっけ?モモから聞いた。マリーは関係ねぇよ」
と言いオレは物事の主犯カノを睨みつける。
カノは笑いながら「やだな~」とか言っているが、この際関係がない。
今日という今日こそこのカノの口から「すみませんでした」と言わせてやる。
「シンタローさんいきなりどうしたんすか?」
とセトが尋ねてくるが、セトは仕事をしているためニートと呼ぼうが何ともないが、どうしたもこうしたもない。
「お前等、特にキドとカノ。ろくに学校も行ってないし仕事もしてないのに、人をニートニート連呼するな。特にカノ」
オレはカノってとこだけを強調させていう。
コノハは初めから何も言わないので除外だ。
ろくに学校も行っていないカノとキドに、ニートと言われる辛さは他のみんなは分かるのだろうか?
「あ、そんなこと気にしてたのシンタロー君。ゴメンゴメン」
明らかに背後から「(笑)」と言うマークが出ているであろう。
コイツはうざいの天才なのか?
「カノ失礼っすよ」
セトが言ってくれた言葉の意味は考えていけば辛いだけな気がする。
「……ニートって何?」
コノハの第一声がこれだ。
なんと説明しようかと悩んでるとカノが口を開く。
「ニートっていうのは、学校も仕事もしてないシンタロー君のことだよ。コノハ君」
コノハはだいぶ間を開けてから首を傾げて「でも、カノも何もしてないよ…?」と言われる。
ざまぁみろ。
それにしてもコノハはなんて良い子なんだ。
限度はあるが飯を奢ろう。
「んー?それはコノハ君もキドも一緒じゃないの?」
対するカノは何も喋ってないキドを巻き込んだことで、すごい形相でキドに睨まれている。
「…って言うわけでもないかも、うん」
さすがの団長には叶わないのか、冷や汗をかきながら上記を笑いながら「コノハ君だって何もしてないじゃん」と言う。
「僕?…僕はお手伝いしてる」
「何の?」
「セトのバイトのお手伝い」
コノハ偉い!
俺は内心そう叫んでコノハに拍手をしている。
カノはセトに確かめるような視線を送る。
セトはそれに気づき「あ、コノハさんの言ってることは本当っす!」と笑顔を向ける。
カノは「うっ…」と言葉を詰まらせて「僕だってキドの料理の手伝いしてるもん!!」と言うが、その場に居た全員(エネを除く)に「してない」と否定された。
さすがのカノも堪えたのか、床に倒れ込むようになり、小さく自分はニートではないと否定している。
「うぅ…僕はニートじゃない…」
「受け入れろよ。これが運命(さだめ)だ」
「ちょっと止めてよ!コノハ君!!」
カノには後でたっぷりと謝罪してもらおうか。
俺はコノハとカノのやり取りを見て、フッと笑う。
【疑問に思った事】END
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