▽▲▽▲ 2014-08-18 14:57:42 |
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ァー…悪い、何でもねーよ
( 後ろに立つ彼が手を伸ばしていたことなどつゆ知らず、すたすたと海の家を後にして砂浜へと出ると、すぐに自分たちが先程立てた無人と化したパラソルを見つけ取りあえずそこへ足を運び。そして目を細め海を眺めると、自分の友人が楽しそうに遊んでいるのを見つけ、でもなんとなくそこに混ざりに行くような気分でもなくただそれを眺めていて。すると途中でこちらに気付いた友人のうちの一人が駆け寄ってきて、「どうした?」なんて聞くものだから俺は言葉を濁し上記を述べて。――段々と低くなってくる太陽。友人に気を使わせるわけにもいかず海へと入りに行った俺は、何にも楽しい事なんてないのにわざとらしく大声をあげて笑った。だけどそんなの周りの声にかき消されては沈んでいき、それが凄く惨めで阿呆らしくて、さっきの「彼奴」じゃないけど涙が滲みそうになるのを必死にこらえ馬鹿みたいにはしゃぐふりをしていて。「姉ちゃんは、海、楽しかった?」そんな今更聞けるはずもない問いが俺の心を支配し、それに気付かないふりをしようと空元気でいる俺は、きっ誰よりも滑稽で誰よりも愚かなんだろう。―――そんな誰に確かめてもらう事も出来ない自己嫌悪を、内に抱えて俺は夜が来るのをただ待っていて。 )
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