「あ」 彼がこの音を発した時には既に手遅れであった。 室内のあらゆる物質が励起され、音響兵器へと生まれ変わり 増幅された自身の声が心地よい音をたてて鼓膜を衝き破る。 残念ながら、彼がその音を聞くことはないけれども。