ぬしっぽいど 2014-08-07 08:58:14 |
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>ヴァハムート
痛い、わ…
(唐突。それは突然の出来事であり、己は対処する術を持ち合わせていなかった。混乱する頭とは反対に、髪を撫でる冷たい風が早く冷静になれと己に訴えているようにすら感じられて、無理に引き寄せられた己は暫し固まり次第に落ち着きを取り戻してきた頭を必死に働かせた。何を血迷ったのかは知らないが、きっと何か理由があるはず。よく考えると、先ほども彼に引き寄せられたではないか。―――とそこまで考えて、周囲の不穏な気配を察知して。嗚呼、またか…そう思うも、このままでいるのも得策ではない気がする。己は顎を引きぶつかった唇を数センチ程度彼から離すと、逆に今度は睫毛が彼の顔に触れてしまったがそんな事を気にしていられるはずもない。次いでベンチにつき体を支えていた手を彼の胸元に置くと、不自然ではない程度に押し返してみて。しかし己の腕力が彼にかなうはずもなく、抵抗は虚しくあまり距離は開かなかったが鼻先がやや触れる程度の距離を保つことはでき。そして小さな声で上記を述べ、己が非常に無理な体勢であることを訴えると、アズハルスがここに居なくて良かった…なんて考えて。
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