ぬしっぽいど 2014-08-07 08:58:14 |
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>ヴァハムート
そう……いい場所ね。それはこちらもそうだけど
(上下関係、いわゆる民衆の階級区分がないということは、デメリットもあるが理想の形だと己は考えている。その考え方はどうやら彼も同じだったようで、考え込むようにしてたっぷりと間を使いながら上記を述べて。次いで、「信頼は命令より有効よ。それに一人じゃないって重要よ、絶対にね」と、意味ありげに付け加え。
……「雨が上がってきたわ」「夜が近づいている」「輝く一等星はそこにあるのに、月はどこに行ったのかしら?」「あら、雨が上がったからかあの星のおかげか、暖かくなってきたわ」「残念、雨の日は調子がいいのに」
(魔法をつかえ。――彼に寒さに関して同意を求めた己が愚かだった。そうとなれば、追加の情報を何も与えなかった代わりに己の魔法でも見せてやろうと考え付く。己の使い魔がそばにいたなら、きっと軽率な真似はするなと止めるのだろうが、横に並ぶ彼が己の魔法を目にしたところでその道理を理解できるとは到底思えない。人には適材適所というものがある。まあ、正確にはただの人ではないのだが。――そんな事を考えて空を見上げ立ち上がると、己は少し間をおいて一文一文力を籠め区切るようにして上記の台詞を並べ立てて。すると、その言葉通り雨が引き、曇り空ではあるものの肌を突き刺すような寒さは消えうせて。その様子に満足げに微笑めば、自慢げに振り返り彼の顔を見て微笑み、またベンチに腰を下ろして。――今己が行ったのはただの「天候を操る魔法」であり、その数は少ないが魔術を極めた者なら極めて特別なことでもない。その魔法の詠唱部分を、己はただの独り言のように砕けた表現で言い連ねただけであり、実際は何も変わったことをしているわけでは無いのだ。)
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