ハナミズキ 2014-07-29 20:56:35 |
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秋風も強くなり、寒くなりだした11月頃に、サイが突然旅に出ると言い出した。
だからもうチャットには来ないと。
昔からの夢に、本格的に取り掛かるので、チャットをする暇がなくなるという。
行き詰まったり、疲れた時は着て欲しいと言ったけれど、余計な事は考えたくないから、無理だと言われた。
私は泣いた。
サイまで居なくなってしまう悲しさと寂しさが、押さえ切れなくなり泣いた。
もう、これっきり会えないのなら、いっそいま、この思いを伝えようかと思った。
「サイ・・・あのね
サイの事が好き・・・。
大好きなの・・・だから・・」
その言葉は最後まで言わせてはもらえなかった。
「あー、悪い。
俺そー言うのダメなんだわ。
遊びならいいんだけどさ、好きだとか愛してるとかってウザイだけなんだよな。
んで、俺ルールで、その禁句ワードを言った時点で終了な。
そー言う事だから、もう来ねーわ。
じゃーな」
そういい残すと、サイは消えていった。
それ以来2度とサイの姿を見る事はなかった。
私は泣いた。
涙で自分が溺れてしまうかというほど泣いた。
友達だと思って信頼していた自分が腹立たしい・・・・。
忘れたいのに、忘れられないのも悔しい・・・。
泣いて泣いて、泣き暮らす日々が続き、やはり自分は誰からも愛されない子なのだと痛感したのだった。
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