朔夜 2014-07-15 07:37:49 |
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【9月12日/向日岳人バースデーストーリー Ⅱ】テニスの王子様/向日岳人
向日「…それ、何?」
ドキッとした、岳人が気付いた。怖い…手作りは引かれてしまうかも知れない、重い女になんてなりたくない。
主「これは…その…」
向日「もしかして、俺の?」
*袋を指差して言ったのは本当だったら、そんな期待を込めた言葉だった…。
主「う…ん」
気付かれてしまったのなら、嘘は吐きたくない。けれど沸き上がる不安と恐怖からか戸惑いながらの返事になってしまった、今の私は一体どんな顔をしてるんだろう?きっと情けない顔をしてるんだろうな…。
向日「え?お…れの…なのか!?」
*耳を疑った、うんって言ったよな?驚きの余りひっくり返る俺の声。嬉しい、嬉しい、嬉しい!さっきまでの不安が嘘みたいに、飛び上がりてぇ位嬉しくて戸惑いながら聞いてみた。
主「うん、ごめんね…自信が無くて、渡せなかったの」
気付けば自然と笑みを零してる岳人、中身を見て嫌がらないかな?不安を消し去る様に岳人の前に勢いよく差し出した。
向日「あ、開けて…良いよな?」
目の前に勢いよく差し出しされた袋に一瞬驚いたけど同時に○○がどれ位不安だったのか伝わってきた、受け取ったらやっぱり中が気になる。ガキっぽいけどすぐに開けたい、期待で目を輝かしながら言えば袋を開けた。
主「あ…っ」
此処で!?岳人は相変わらずだな、可愛い…でも心配なのは中を見た彼の反応。
向日「………」
*袋を開けて取り出して見れば、編んで羽がデザインされたニット帽。編み目が細かいけどこれはきっと手作り…だよな?手編みなんてどんだけ頑張ってくれたんだよ、一体何ヵ月前から作ってくれてたんだよ…嬉し過ぎて言葉を失ったんだ。
主「や…やっぱり」
岳人が黙ってしまった、やっぱり重いんだ…引かれてしまったんだ…そう思った途端悔しくて苦しくて胸が張り裂けそうになった。
向日「俺…絶対、ぜーったい大事にする!!春でも夏でも秋でも冬でも、一年中被る!こんな…嬉しくて最高な誕生日、生まれて初めてだ!!」
ふははっ、と子供みたいに笑う岳人。無邪気で純真で…その言葉と表情に私は目を丸くした、不安と後悔が全て岳人の笑顔で吹き飛んだから。
主「え…?あ、ええ?」
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