及川徹 2014-07-01 23:17:39 |
通報 |
…え、彼…って何ですか?私、そういうの居ないです、けど…
(気付いているのかいないのか、うんうんと一人唸る姿に何を考えているのだろうかと首を傾げ。自分、さっきから首を傾げてばかりだと内心新たなリアクションを探しつつ苦笑いを浮かべると浮かない顔をする相手の横顔を見遣り。形の良い口から紡がれた言葉にカッと耳まで赤く染め、わたわたと手を忙しなく動かしながら“居ない”と。何事にもオブラ-トに包まず直球な相手につい吃ってしまう。相手に悪気は無い…と思いたい、と頭の片隅に浮かんだ考えを取り払うかのように『え、そ、そうなんですか…。』と。斜め上を行く答えを連発する相手に人知れず目を見開いて。月曜日に此処に来る、そんな言葉に『だから会わないんですね…。普段は早めに帰路に着くからでしょうか、一度も此処でお会いしたこと無いですもん。』と微かな笑み混じりに答え。ズボンを濡れない様に少し上げ、痛みを我慢して己の服を強く握り締める相手の甥に大丈夫、大丈夫と言い聞かせながら水道の水で優しく土を洗い流すとポケットからティッシュと絆創膏を取り出し手早く処置を済ませ。『及川君、帰ったら消毒してあげてください。傷の割には出血も酷くないですし、大丈夫ですよ?』と相手を安心させる様に微笑んで。)
トピック検索 |