Master/Mocha 2014-03-31 23:10:00 |
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>オーナー
別に暇ではありません
( よほど動くのが億劫なのかは知らないが、体内へと流し込んでいた酒瓶の中身が空になると、なんの躊躇いもなくそれを放り投げた派手な音を響かせた店主。いつも通りの光景と言われるとそれまでだが、彼の乱暴ともいえるその動作はとても褒められたものではない。はあ、なんて小さくため息を吐くと、やはり気だるげな調子で己に声を掛けてきた彼に対し、バッサリと上記の台詞を述べて。しかし曲がりなりにも相手はこの店のオーナーであり、そう言われてもなお読書にふけ続ける事が出来るほど己の面の皮は厚くはない。そんな事を考えながら、私は視線を落とし続けていた分厚い本を閉じ、慈しむように丁寧な動作でそれをテーブルに置くと、とりあえず煙たいこの空間を何とかするべく窓を開けようと、重たい腰を上げて。 )
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