化物と忌み子(男性募集)

…自殺などではありません…ここで死ぬことこそが私の運命なのです…(また座り相手の方向を見ながら言って

…そうか(短く冷徹に言うと相手の首に手をかけて力を入れる、当然本気で命を奪うつもりはなく、相手の覚悟の程を確かめる為の行動で

っ…(力を入れられると少し苦しそうな顔をするがやっと＊＊ると思い少し嬉しそうな顔になり

くだらん…(ずっと変わらなかった表情がこの一瞬だけ変わったのを見てやはり彼女は死を恐れるどころか求めているのだと感じ取れて呆れた様子で手を離して

…なんで…(離されるとまた無表情に戻り

お前は最初俺に好きにしろと言ったな…？ならばお前の生き死にも俺の自由だ(彼女の身柄は今自分の手の内にある、ならばそれをどう扱おうとこちらの自由であり、事実相手もそう言っていたことを指摘して

…(少し不機嫌そうにすると立ち上がり右足を引きずりながら外に出て行き

どこへ行くつもりだ…？(足を引きずるようにして外へ出て行こうとする相手を追いかけようとはせずに言葉だけを投げかけて、その足では大して遠くにはいけないだろうと判断しての対応で

…少し出てきます…(小さい声でそう言うと森に入っていき、しばらく歩くと川にたどりついて

…(そういえば近くに川があったなと思い返せばまさかそこで身投げでもするつもりかと考えては追いかけて

…冷たい…(しゃがみ込み川の中に手を入れてボソッと言い

何をやってるんだ俺は…(すぐに川の近くに相手の姿を見つけ、特に変わった様子のない相手に僅かばかり安堵していて、何故ここまで彼女に執着しているのだろうかと自嘲気味に独り言を呟いて

…あ…(立ち上がったとたん強い風がふき、少しよろけると足を滑らせ川に落ちてしまい

っ!?いや…もういいだろう…俺が助けてやる義理もない(川に落ちた彼女に一瞬目を見開くがすぐに冷静な様子で相手はこれで望み通り死ぬことが出来るのだろうと見守っていて、しかし、流れに呑まれて姿が見えなくなりそうになると自然と足は動いていて川に飛び込んで相手を助けあげる

…(冷たいという感覚は過ぎていき、意識も遠のいていくと水の中で小さく助けてと呟き

…(川から助け、気を失ったままの相手を祠まで連れ帰っては焚き火をしてその隣に寝かせて

…(体温が一向に上がらず

くそっ…(体温がまるで上がる気配のない相手に自分の着ていた着物をかけてやり

…(ピクリと指が動き

目が覚めたか…？(僅かな動きに気が付き横目で見ながら冷たい口調で語りかけて