ニコ厨

「聖少女領域」

www.youtube.com/watch?v=aCxOn3Pfljg

「まだ云(い)わないで
呪文(じゅもん)めいたその言葉
“愛”なんて羽のように軽い
囁(ささや)いて
パパより優(やさ)しいテノールで
奪(うば)う覚悟(かくご)があるのならば

百万の薔薇(ばら)の寝台(ベッド)に
埋(う)もれ見る夢よりも
馨(かぐ)しく私は生きてるの

どうすれば醜(みにく)いものが
蔓延(はびこ)ったこの世界
汚れずに羽摶(はばた)いて行けるのか

ひとり繭(まゆ)の中
学びつづけても
水晶(すいしょう)の星空(ほしぞら)は
遠すぎるの

まだ触(ふ)れないで
その慄(ふる)える指先(ゆびさき)は
花盗人(はなぬすびと)の甘い躊躇(ためら)い
触れてもいいこの深い胸の奥にまで
届く自信があるのならば

白馬(はくば)の王子様(おおじさま)なんか
信じてるわけじゃない

罅(ひび)割れた硝子匣(ケース)に
飾られた純潔(じゅんけつ)は
滅(ほろ)びゆく天使(てんし)たちの心臓(しんぞう)

また明日(あす)も目覚めるたびに
百年(ひゃくねん)の刻(とき)を知る

眠れない魂(たましい)の荊(いばら)姫
くい込む冠(かんむり)
一雫(ひとしずく)の血に
ああ現実(いま)が真実(げんじつ)と
思い知るの

まだ行かないで
月光(つきあかり)の結界(けっかい)で
過(あやま)ちに気づいてしまいそう
安(やす)らかなぬくもりに抱(だ)かれ
壊(こわ)れたい私(わたし)は
罪(つみ)の子なのでしょうか

そっと零(こぼ)れてくる
涙(なみだ)の意味(いみ)さえわからない

もう云(い)わないで
呪文(じゅもん)めいたその言葉
“愛”なんて鎖(くさり)のように重(おも)い
囁(ささや)いて
パパより優(やさ)しいテノールで
どんな覚悟(かくご)もできるならば

さあ誓(ちか)ってよ
その震(ふる)える唇(くちびる)で
蜜(みつ)を摘(つ)む狩人(かりゅうど)のときめき
攫(さら)っていい
この深い胸の奥底(おくそこ)を
射抜(いぬく)く勇気(ゆうき)があるのならば

貴方(あなた)、捕(つか)まえたらけして
逃がさないようにして」