誰か忘れている? そうだろうか。 考えたが思い当たらない。 「ほら、あなたのすぐ後ろにいますよ。」 老紳士はそう言って青葉の後方を指差した。 後ろに? 青葉はゆっくりと半身になり、首を後ろに動かす。 後ろには扉を塞いでいた大きな棚がある。 彼女はそこにいた。