青葉 2013-10-19 22:21:19 |
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朝、起きてリビングに行くと、そこはいつものリビングであり、当然ながら彼女もいなかった。
そして昨晩は金縛りにあいながら夢を見たんだと思った。
夢は、青葉の横を老紳士が通りリビングの方へ行ったところから、青葉が部屋に戻り、気配が去って行ったところまでの全てだろう。
何の不思議もない。ただ金縛りの間中ずっと夢をみていただけだ。
そう思ったが、一つの驚きがあった。
扉を塞いでいた棚がないのだ。
考えてみれば、玄関とリビングを繋いでいた扉を塞いでいた大きな棚は、青葉の両親がこの家を出た時に持っていった。だから、無いのは当然だし、青葉もそれは知っていた。
だが、長年そこに棚があり、開かずの扉になっていたので、ずっと使用していなかった。その習慣のせいか棚がなくなってもその扉を使うことをしなかった。
何というか、青葉は扉が使えるようになったことを、2年以上も意識しなかった。扉が開くとか開かないとかは考えなかった。
扉を扉と意識しなかった。
夢の中で老紳士は、青葉が彼女の記憶の部屋を長らえさせたと言っていた。青葉が扉を開けなかったことで、あの部屋の存続が長くなったと言っていた。繋がることはある。
まあ、所詮は夢。そう思う。
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