さて、どうしたものか――。 (目が覚めると、人間になっていた。お天道様も吃驚するだろう。というか、自分も本来、神であるのだが。目の前にあるのは、自分の像と、昨日、彼奴が置いていった油揚げが二枚。人になった所為か、壮絶な空腹と疲労感が体を襲うが、さすがに、一晩晒されていた物を口にするのは憚られる。ぐう、と鳴る腹を手で押さえつけながら自分の像の土台にもたれると、多少の差異はあるものの、いつも見ている景色に近づいた。今にも眠ってしまいそうなのを堪えていれば、境内の階段を上ってくる彼奴の姿が見えてきて、)