派兵後、警備開始から28日が経過した。 衛生班が投下する不味いレーションも貴重な食料だ。 空腹であれば何でも旨く感じるものだ。 ナイフで髭を剃り終えると、簡素な銃に手を添えて立ち上がろうとしたその時―――― 「っつ!?…」 私の首に何か硬いものが刺さった。 虫かと思って抜こうと触ってみたが、プラスチックの冷ややかな手触りから、 完全に何かの人工物であった。 しかし、何故こんな所でそんなものが――――― 覚えているのはここまでだ。