歯車 2013-09-14 14:20:29 |
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シベリア沖、ノヴォシビルスク諸島…
ソ連のサハ共和国に位置するここは主に三つの諸島から成り立っている。
アンジュー諸島…こことシベリア本土のあいだに位置するリャーホフスキー諸島。
そして、アンジュー諸島の北東に位置するデ/ロング諸島。
我々はその中でも一番大きな島…アンジュー諸島のコテリヌイ島に派遣された。
本土ソビエト連邦から離れたといっても、凍てつく寒さは変わらない。
1945年…第二次世界大戦は幕を閉じ二つの大国が互いに睨み合う冷たい戦争が始まった。
冷戦という時代の幕開けである。
国の今回の命令はこの島に設けられた『ヴォルシイェ・ナイディエジュディ設計局』の警備。
こんな辺境の使われていない設計局に用がある者なんてアメリカくらいなものだろうが、
果して冷戦の続くこの時代…彼らの軍にそんな余裕があるのか??。
そんなことを考えていると、通信機がなった。
聞きたくなかった音に耳を塞ぐことも出来ず、仕方なく通信に応じる。
「こちらパトロール。」
「こちらHQ、そちらの様子はどうだ??。」
「異常なし。」
「了解。」
変わったばかりの冷たい長官の声が止むと、
私は寒気の吹き荒ぶ乾いたジャングルに脚を動かした。
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