石動 叶平 2013-08-24 17:54:53 |
通報 |
..あ-、大丈夫(此方へ来る相手が愛おしく思うもそんな気持ちを悟られまい、とへらりと笑っては相手を手で制す。今思えば此処は己の部屋、つまりは相手と2人きりなのだ。此れ以上近付かれては己を抑える事が出来るかが心配で仕方ない。何の感情もなく唯婚約者の弟として己を見ている相手、姉の婚約者に恋心を抱いている己、何をどうしたって噛み合わない歯車は己を狂わせる。
っや、大丈夫..だから(相手の心配そうな声が聞こえては顔をあげてそう答える。此れ以上心配をかける訳にはいかない、と言い聞かせれば相手と視線が絡まり途端に胸が締め付けられた。“叶平くん”初めてそう呼ばれた時の事を思い出す。相手にとってはもう記憶にもない事なのだろうが己にとっては忘れられない日となった。相手との思い出が己を甘く切なく締め付ける。其れらを全て胸の奥へと押しやれば相手に微笑んで「下、行こっか」と立ち上がり
トピック検索 |