主 2013-08-21 03:00:05 |
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うん、頼んだ(そう言うと、相手の顔をぼんやり眺めた。調理のことを考えているのだろうか、真剣な眼差しは、いつも優しく微笑んでいる表情とは違い、新鮮だった。)母……(後の相手の言葉には、僅かに視線を揺らがせた。父も母も健在だが、二人共、毎日忙しなく働いているために、その姿はあまり印象に残っていない。相手が教育としてそれを教わったのだとしても、己にはとても羨ましい響きだった。自分の母は、どんな顔をしていただろうか、と考えながら、グラスの水を口に含んだ。)
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