ハル 2013-07-19 19:10:12 |
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…ガラッ
しばらくして何とか止まった涙を拭き、教室に戻った。
『…え~!そうなの?』
『超ウケる~!!』
…窓側うるさい。
あ、そっか。このクラスには…
学年1位を誇る人気者。天野 蓮がいたんだ。
それから、おそらく2位だと噂される藤原 汰智。
この2人は、中学の頃からの親友で、私とも同じ中学だった。
汰智とはよく話すんだけど、天野くんとは話したことがなかった。
汰智は小学校からの付き合いで、天野くんは汰智の幼馴染なんだけど、しばらく海外で暮らして
中学生に上がると同時に帰国したらしい。
そんなことを考えて、ボーっとしていると…
…バシッ!!
「いったぁ~…」
……まさか
「な~にボーっとしてんだよ!!お前、超アホヅラだったぞ?」
そういって笑っているのは…汰智。
「うるさいな~。考え事してただけじゃん!!」
「あ、そっか。お前、友達いないから独りで考え事するしかないんだ~」
「あんたね~。また人の嫌な記憶を~…」
あ、ちなみにこれは汰智のいつもの冗談。
こんな冗談も通じるほど、汰智とは仲がいい…のかな?
「お前さぁ、前みたいに明るくすればいいじゃん。つーか、お前男女問わず人気だったじゃん。」
「…人気だったかどうかは知らないけど」
「……また裏切られるだけだし」
汰智にも悩みを打ち明けられない私は、小さくそう呟いた。
「…え?人気だったけど?つか、その後聞こえなかったんだけど…?」
「…なんでもない。」
「「…玲奈!!」」
…今度は誰!?
……あ、弥生と沙椰か。
いつものダイナミックなドッキリ挨拶。
「おはよ。」
「「おっはよ~!!」」
「相変わらずテンションが高くて何よりです。」
そう言っていつもの朝の挨拶が終わる。
…キーンコーンカーン…
「…あ、チャイム鳴ったし、俺も席着くわ。じゃな」
…ふぅ。やっといつもの1人に戻った。
そう思っていると、ふと窓側の席を見たとき、天野くんと目が合った。
天野くんは、何故か真剣な顔でこっちを見ている…。
…なんだろう。
しばらく見詰め合っていたが、耐え切れず、私から逸らした。
…そしてまた見てみると、天野くんも違う方を見ていた。
……何だったんだろう。まあ、いいか。
私は、あえて気にしないことにした…。
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