〇 2013-07-16 13:28:24 |
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…や、いいって。俺も前見てなかったからさ。
(警戒しているのだろう、後ずさる少女の肩から手を離すと怪我は無かった様で安堵の表情を浮かべて。次いで遠慮がちに其の薄い唇が開かれたかと思うと街の喧騒に掻き消されそうな程に小さな声に刹那周囲の音が何も聞こえなくなる。柔らかく切なく、其れでいて優しい声。汚れ仕事をしている内にそういった穢れのなさに耐性が無くなっていた様だ。胸中がざわつく感覚は久方振りで双眸を細めると片手に持った紙袋から林檎を一つ取り出し相手に差し出す。「腹、減ってる?」か細い声に細い体躯、あまり良い生活を送っていないように思える容姿と気紛れに言葉を掛けて。)
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