〇 2013-07-16 13:28:24 |
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――っ!
(人混みを縫うように無我夢中で駆けていると曲がり角を曲がった先に居た男にぶつかってしまった。体格が良い為かびくともしない彼に弾き返され地面に倒れる痛みを予測し身体を強張らせ目を固く瞑る。が其れは何時まで経っても訪れず、代わりに肩に置かれた手によって体勢を戻される。己を覗き込んでくる男の瞳の色は甘い蜂蜜の様な色合いで息が詰まった。至近距離で見知らぬ人と目を合わせたのは久し振りだ、視線を逸らす様に煉瓦の地面を見ると小さく頷いて「だい、じょうぶ。…ありがとう。」自分でも驚く程にか細い声。久し振りに声を発した為であった。一歩後退して頭を下げる。)
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