楠木サン 2013-07-05 07:29:48 |
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「ねぇ,君.名前は?」
相手が話しかける.名前は?ってどうして私に聞くんだか...,
特に取り柄のない私に聞くよりも優しくて可愛くて親切な子に聞けば良いのに.
「ねぇーぇ,名前,無いの?」
見た目よりはるかにしつこい.第一印象は爽やかだったものの数分経てば我儘に大変身か.
「ナヤハルミ.」
あまりのしつこさに呆れため息をついてから私はボソっと自分の名前を口にする.
「ハルミ?ナヤ...,じゃあ僕は君の事,ナヤハルって呼ぶよ.僕の事は悠斗って呼んでくれ.」
私の脳内はその“ナヤハル”と言う新種の生物の名前でいっぱいになった.
ハイ?な...私が...ナヤハル?初対面なのに?しかも悠斗って...,
「失礼だけど,貴方には常識って言うのがあるの?まだ初対面だし,会ったとしてもまだ数分しか経ってないわ.だから私は貴方にナヤハルなんて呼ばれても返事はしないし,貴方の事を悠斗と言う事もないから.」
その長い注意にクラス中の皆が一斉に私達を見る.女子達の視線が鋭い.
別にこれくらいでハブにされようが元々ハブなのだ.何を言っても変わることはない.
「ん,そっか,でも僕は君の事をナヤハルと呼ぶし,返事をされなくても振り向いてもらえるまで追いかけてくよ?」
そのただでさえムカツク言葉の最後にまたもやあの微笑みが噴射される.反省の色は全く持ってない.
「勝手にしなさい,」
私がそう言い残すと同時に一時限目のチャイムがなり休憩時間となった.
今日は朝から気分が悪い.
最悪の日...,
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