カナリア 2013-06-26 20:48:57 |
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ガラガラッ
信二「ありがとうございました。失礼します。」
病院先生「ん、お大事にね。」
母の担当医の説明を聞き、
俺はその先生からもらった紙をしまわず、ただ手に持っていた。
信二「※心臓カテーテル検査・・・か。」
あの女、これで検査何個目だ?
検査するたびに引っかかりやがって・・・。
まぁ、早く退院してほしいとは思うけどさ・・・
バサッ
信二「あっ、ヤベッ!」
俺が手に持っていた紙は、廊下の開いていた窓のせいで風に飛ばされてしまった。
急いで拾うと、1枚だけある部屋に入ってしまった。
まるで、吸い込まれていくように。
その部屋は・・・
「209号室」
勝手に入っても良いのだろうか?
だが、あの紙がないと・・・
俺はためらいながらも、その部屋の扉の取っ手に手をかけた。
ガララッ
扉を開けた瞬間
俺の目に
白い世界が広がった
これが彼女との出会いだった
※心臓カテーテル検査・・・カテーテルと呼ばれる細い管を腕から心臓や腔内まで挿入して、
それぞれの部位ての血液を摂取、圧を測定、さらには造影剤を注入して
血管造影を行う検査。
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