カナリア 2013-06-26 20:48:57 |
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看護士「あら、信二君。今日もお母さんのお見舞い?いつも偉いわね~。」
信二「いえ、母が心配なので。」
病院ですれ違う人はみんな同じことを言う。
もう、この病院の中ではおなじみだ、
俺が母の見舞いに来ることは。
そして、この病院にはもう1つ、おなじみがある。
209号室
この部屋の患者は俺が小さい頃から、母と同じく入退院を繰り返している。
昔からいるはずなのに、俺はこの部屋の患者を見たことがない。
知っていることは、俺と同い年、17歳ってことと
「心臓病の少女」
ということだけ。
この時の俺は、たいしてその少女に興味を持っていなかった。
この後、「出会い」があるとも知らずに。
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