御影 2013-06-23 09:09:38 |
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昶は先程の写真を眺めながら歩いていた。もう片方の腕には数冊の本。借りたばかりのものだ。
その為前から歩いて来る人物に気付かなかった。
ドンッ
昶「キャッ…!」
A棟とB棟を隔てる曲がり角に差し掛かった時、昶は180cmオーバーの大男とぶつかり尻餅をついた。
昶が恐る恐る顔を上げると優しげな笑みを浮かべた童顔の青年が。同じクラスだった気がするが名前が思い出せ無い。
青年は昶に手を差し伸べ、抱き上げるように立ち上がらせ本を拾ってくれた。
昶「あ、りが、と…」
小さな声でお礼を言うと本を受け取り、もう一度相手を見上げた。
??「此…何処で?」
昶「へ?」
??「此何処で見つけたの?」
青年の目は1枚の写真に釘付けだった。先程ぶつかった時に手放してしまったようで、昶は言葉に詰まる。
??「答えて?」
青年は冷たい口調で昶に問い掛ける。昶は蛇に睨まれた蛙のように動けずに居た。
昶「…図書室の本に挟まってて…」
絞り出すように呟くと青年の周りの空気が緩んだ。
??「ごめん」
青年は申し訳無さそうに謝ると写真を胸ポケットに入れ、その場から立ち去った。
(/>1の胸ポケットを半角カナに直すの忘れてました;)
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