リンリ 2013-06-15 20:30:14 |
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「ヒック・・・なっなんでぇ!?イヤッ柚季くん!」
「柚季ッ・・・嘘だろ?なぁっ!」
「うっ。そんなっ・・・。」
冷たくなった柚季の周りには人が溢れかえっている。
安らかな綺麗な顔には鮮やかな花や、柚季がいつも身につけていた
腕時計や、大好きだったレモンシュカッシュが並べられていた。
そう、今は柚季の葬式だ。
学校に柚季の事が伝わると男女関係なく柚季の死を悲しんだ。
かっこよくて、学校で有名だった柚季に女子は泣き叫んでる子もいる。
唐馬や愛、柚季の両親、学校の教師・・・みんな泣いている。
何故か私は泣けなかった。
柚季が死んだ事を認めたくなかったのかもしれない。
葬式、私はただぼんやりと遺影を眺め入っていた。
遺影は私といた時の写真。
目を細めて、優しい笑顔の柚季。
初デートの日に記念に撮ったものだった。
まさか遺影に使われるとは思わなかったけど・・・。
ガラガラ・・・・・・・。
焼かれて骨になった柚季は驚くほど小さくなっていた。
大好きな・・・柚季は骨だけになった。
震える手で、なんとか箸で骨をつまんだ。
ああ・・・もう居ない。
大好きだった柚季は。
「朱音。」
「好きだ。」
「朱音からキスして。」
もう・・・抱き締めてもらえないなんて。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい・・・。
殺してしまったのはきっと私だ。
大好きだった貴方を・・・
この手で・・・殺した。
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