リンリ 2013-06-15 20:30:14 |
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私達に残された時はあまりにも短くて。
でも、柚季が生きてるだけでいい。
これ以上の望みなんかない。
ただ一緒にいたい。それだけなんだ。
残された時はわずかなら、後悔しないように
一分一秒大切に、笑顔で過ごしたい。
ーーガラッ。
「柚季きたよー?」
私は学校から急いで病院に来た。
「朱音。」
ニコッと優しく微笑んでくれる柚季。
こんな些細なことでも愛しく感じる。
「あのね、柚季が好きだった購買のレモンシュカッシュ持ってきたんだ!」
私はそう言いながらゴソゴソとビミール袋をあさる。
「マジで?ありがとうな!」
「いいよ全然。はいどーぞっ!」
私は小さめのペットボドルを渡す。
早速柚季がフタを開けた。
ーーーブシュァ!!!
「・・・わっ!柚季大丈夫!?」
「・・・うわっ冷たぇ~!」
そして無言で睨み付けてくる柚季さん。
あはは・・・。
「ごめん・・・。来る時走ってきたから振っちゃったかも?」
「嫌。許してやらない。」
えっ!そんなどうすればいいの~?
私一人黙々と考えていると・・・。
柚季があり得ない事を口にする。
「朱音からキスして。」
「なっ!?嫌だよ。恥ずかしいっ!」
無理無理無理~!!!
恥ずかし過ぎて死んじゃうよっ!
私は精一杯否定しても
「いいじゃん?」
って!
私が立ってて柚季がベッドに座ってるから
柚季が私を見ると自然と上目使いになる。
その柚季の顔が可愛い。
・・・そんな風に言われたら何も言えなくなるじゃん。
チュッ。
一瞬の軽いキス。
でも私は顔から火が出そう・・・。
「良くできました。」
柚季がそう言うと
「・・・っえっ!?」
優しいキスを何度も繰り返す。
病院だしいつ誰が来るのかも分からないから
いつもなら「ダメ。」って言うけど・・・。
今はただ、柚季の事しか考えたくない。
離れたくない。
もっとしたい。
キス出来て嬉しいはずなのに・・・。
なんで悲しくなるんだろう。
なんで涙が溢れそうになるんだろう・・・。
私は柚季にバレないように必死に涙をこらえるので精一杯だった。
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