緋色 カサネ 2013-06-12 21:07:51 |
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いつも喧嘩やすれ違い
約束の時間には遅れ
たまに約束さえも忘れて
最近増えた「ごめんね」という言葉は
お互いの気持ちを薄れさせてゆく
「今日は会えるんでしょ?」
「ごめんね…今日も仕事が遅くなるんだ…本当にごめんね?」
高校生と社会人
同い年なのに中学校まではあんなに近くに居たのに
気づけば遠く
会ったときの二人は何処かよそよそしく
君の質問に元気の無い返事を返し
あの頃はお互いに無邪気に笑いあってた筈なんだ…
ある時君から一通のメール
「大事な話があるから今日の夜連絡して」
頭に過ったのは当然別れ
その夜
君を迎えに行けば
「…話って…何?」
君の暗い表情が一層不安を煽る
「私達さ…前はもっと笑ってたよね…?」
あぁフラれるんだ…と諦めかける自分
「そうだね…」
「寂しいんだ…私は毎日でも会いたい…ずっと居たい…」
「それは俺だって一緒の気持ちだよ…」
「…仕事だって事も…疲れてることも…私の為に必死に頑張ってくれてることも…分かっ
てる…」
「…どうして欲しいの?寂しいのは自分だけじゃないんだよ?俺だって寂しいんだよ?会いた
いんだよ?」
とうとう逆ギレし始める自分
「…別に会ってって無理にお願いしない…から…もっと自分を楽させてあげて?寂しいのは
私も我慢んするから…一人で頑張んないで?来年からは私も働くから…そしたら二人で頑張
ろ?もっと自分を大事にして?私は君の笑った声と顔が見れれば頑張れるから…頑張んない
で良いから…笑って?」
告げられた言葉は別れではなく
俺の身を案じる言葉だった
その言葉に俺は思わず涙し自分に対して自己嫌悪しか浮かばなかった…
「ごめんな…ごめんな…いつか……絶対に…ごめんなをありがとうに変えるから…笑顔で
お前にありがとうっていうからっ…それまではごめんなばっかかも知れないけど…お前へ
の気持ちは変わらないから…俺のそばで支えてて欲しい…」
「うんっ…約束…だよ?」
いつの間にか彼女も涙を流していて最後に二人は笑顔で約束をかわす
何年後、何十年後…かも知れない…
けど…最後にはありがとうを君に贈ろう
指切りの手がよぼよぼになっても…
最愛なる君に…ごめんとありがとうを
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