ヘノヘノモヘジ 2013-06-11 00:01:34 |
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夏。ミーミーと鳴くセミの音と共に朝を迎える。
ピピピピッとアラームが鳴り響き目を覚ます。
「 ‥ ん…、」
もう朝…?早い。
「 陽菜ー! 起きなよー? 」
「 起きてるー 」
寝ぼけてるのか若干棒読みで返事を返すこの人が私。佐藤 陽菜-サトウ ヒナ-。
そしてこの朝っぱらから明るい子が友達の綾瀬 李穂-アヤセ リホ-。
去年、私達がはたちになり大学生になって少し経った5月頃から新しく出来たアパートで一緒に暮らしている。
自室から出ればエプロン姿の李穂が居た。
普段エプロンなんてつけ無いのにどうしたんだろう。良い事でもあるのかな。
「 …李穂おはよう 」
「 おはよ〜、今日何があるか分かってるよね? 」
「 え、何だっけ…? 」
「 もう!、セブンイレブンのバイトの面接でしょ! 」
「 あー、あの店長がイケメンサンの。」
「 そうだよ! あたしはこの日を待っていたのだー! 」
「 受かるか分からないのにね。」
「 うう。陽菜には夢が無いのか、夢が。受かるかもしれないと云う可能性を信じなきゃ! 」
「 まあ‥、うん。そうだね。」
なんてポジティブな!
あれ。私ネガティ‥、いや!まだネガティブとは決まってないよね。
「 っていうか李穂。バイトの面接より大事な事忘れてる 」
「 え、何何⁉ 合コン⁇ 」
「 合コンな訳ないでしょー。フルートのオーディション。」
「 なんだ、そんな事。」
「 そんな事って大事でしょうよ 」
「 イケメン店長のほが大事! 」
「 李穂はどんな馬鹿と似たのだか 」
「 ちょ、何気に傷つく 」
「 ごめんごめん(笑 」
私達は高校生からフルートをやっていて今日はそのオーディションがある。日曜日に行われる舞台に出場出来るかがこのオーディションで決められる。
そしてオーディションが終わったらセブンイレブンに行ってバイト面接をする。
李穂が"其処の店長がイケメンだから"と進めてきて2人で行く事にした。
つくづく思うんだけど私達って凄いと思う。だってフルートやバイト面接の他にも本屋サンでバイトしてるし大学だって行っている。
私は大変だよねー、なんてあまり言えない。1番大変なのは李穂だから。
李穂は意外に料理も上手いし裁縫も得意だし綺麗好き。其れに比べて私は料理はそこそこで裁縫は大の苦手で綺麗好きなんて程遠いく、家ではダラダラしてばっか。女子2人きりだから大丈夫、とノーブラで居る事も多い。
だから料理も裁縫もほとんど李穂がやってくれている。唯一私のやる事と言えば洗濯物、掃除くらいだ。あ、買い物も。
だから李穂には本当感謝してる。
最近では
「 あ゛ー! 彼氏欲しー… 」
が李穂の口癖になっている。私達2人は1年間続いた彼氏居ない歴21年。産まれてから現在まで1年間続いた彼氏が居ない。たとえ彼氏が出来てもすぐ別れる。長く続いたとして1ヶ月。
李穂なんか性格は置いといて顔やルックスは可愛いのに。
私は今更彼氏欲しいなんて思っては居ない。
中2の時と高1の時の彼氏に二股をかけられると云う残酷な理由で若干男性不信なのかもしれない。
「 李穂なら出来るって。」
「 それ前も聞いたー。なのに出来なかったもん 」
「 う…。っていうか李穂。あの後輩クンはどうした、後輩クンは 」
「 あー、康介クン?あれはただの暇つぶしにちょっかい出した後輩だから 」
「 そ、そうなんだ 」
つくづく思う。李穂って恋愛に関してはちょっと酷いよね。
「 とゆう前に後輩に手出すなんてある意味犯罪でしょ?陽菜は出来る?」
「 …いや出来ないな。」
そう言われてみれば。
「 でしょー? 私今年中に彼氏作るのを目標とする! 」
「 去年と同じ目標じゃん。」
「 もー!其処は伏せといて! 」
「 あはは、ごめんて。あ、そろそろ出る?早めに行ったほうが良いかもよ 」
「 そうだね、混んだらいけないしね。それに早くイケメン店長に会いたい 」
「 それが本音ね…… 」
時計を見れば09:25で。オーディションは10:00から。
バスに乗って行くんだけど道が混みそうだからちょっと早めに出る事にした。
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