トピ主 2013-04-02 21:19:25 |
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雨は、嫌いではないのだけれど。
(サラサラと葉を撫でていた滴は時がたつにつれて勢いを増していき、今では全ての葉を撃ち落とさんばかりの勢いで降り注いでいる。パラパラと葉の間を縫って己の元へたどり着いた滴に髪は濡れ、きっと雨のせいだけではないだろうとも、指先がかじかんで赤くなる。たまらず先ほど買ったばかり、まだ熱を含む菓子を両手で包み込み僅かながらも暖を取りながらほうと一息。指先がじんわりと温かくなっていくのを感じつつ、その代償に楽しみにしていた熱々菓子の熱も奪われていくのを感じ、今度ははぁと溜息。雨は嫌いではない、そう、むしろ好きでもある。雨は甘ったるい香水の匂いも、硝煙や煙草の煙も、毒薬の味すらも全て隠して流してくれるから。……人の血が流れたこんな日は特に好きではあるのだが。「あつあつのお菓子が、台無しだわ」かぶりついた菓子のクリームの甘さに、頬を抑えつつ。)
(/リハビリにて失礼します。スペース感謝です!
お題もお借りしました。(1)雨にて)
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