とりま名無し。 2013-03-03 21:21:28 |
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「…っぷはぁ」
あぁ、苦しかった。こんな陰険な拷問は本当に止めてほしい。
そう先生に抗議しようかと思ったが言えば火に油を注ぐようなものだと
さすがの私にも分かったので口をつぐんだ。
そんな私の葛藤を知ってか知らずか先生が再度口を開く。
「で?そっちの言い分は?」
疑問系できたから私は丁寧に解説してあげた。
…私のばあちゃんのすばらしき格言を。
たっぷりと時間を使って語り上げたこの深イイ話を聞き終えた先生は、
果たしてどんな賞賛の言葉を贈ってくれるか。
少しワクワクして先生のリアクションを待つ。
が。
「先生は君のおばあさんをかわいそうに思うよ」
そう、ぶっぱなしやがった。
ぷっつーーん。
私はパイプいすを盛大に唸らせてがばっと勢いよく席を立ち上がり、そして
「先生、ばあちゃんのことひどく言わないでっ」
と心から抗議を申し奉った。
先生もいきなりの私の真剣さに驚いた(というか引いた)らしく
「お、おぉ…すまん。」
としおらしく謝ってくれた。
「分かってくれたなら、いいです」
私はそんじゃそこらのモデルにも引けをとらないふわりとした悩ましげな微笑を浮かべ、
その教室を後にする。
教室の扉を優雅に閉め終えたら後はそこからがむしゃらにすたこらさっさと逃げるのみ。
なんたってごまかせるのはせいぜい15秒ほどだけだから、
先生が私がうまく話を交わしたことに気付く前に私はさっさと消え失せねばならないのだ。
全力ダッシュを展開していると後ろから
「もうあいついやだーーー!!」
と絶叫してる声が聞こえたが、
全く持って気にせずに私はLHR終了ぎりぎりの教室に滑り込んだ。
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