K 2013-02-23 00:49:15 |
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<恋の理>
放課後の図書室で、私は何時もの様に貸し出しした本の集計、返却された本の整理を行っていた。
作業が終わってから、私は何時も必ず読む本がある。
「星の王子さま」だ。
小さい頃から本が大好きだった。
物心ついた時から星の王子さまが一番のお気に入りだった。
何度よんでも面白い。
ここまで面白い本なんて私は他に知らない。
今日の分を読み終えた私は、本を元の場所へ戻し帰ろうと図書室を出ようとした。
しかし、「ごめん、まだ借りれる?」と慌てて図書室に駆け込んできた男子生徒がいた。ネクタイの色が赤だから3年生か…と思いつつ「良いですよ」と言ってはカウンタ-まで戻り暫く待っていた。
程なくして一冊の本を持った彼が申し訳無さそうに「ごめんね、これ一冊借ります。」と言って一冊の本を手渡された。
それは、私が大好きな本だった。
「あ、いえいえ。んーっと、一週間以内に返しに来て下さい。」自然と笑みが溢れた。星の王子さま借りて行く人に初めて出会えた…何て密かに喜んでいた。
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