名無し 2012-10-29 16:00:09 |
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菜奈の隣の席になった大樹はその日の帰りに、
「あ!!そうだ、菜奈ー!!はいこれ!!」
と言って袋を一つ菜奈に渡した。
「これ…何…?」
菜奈は驚いて大樹を見た。
「遅くなってゴメン。誕生日プレゼントだよ。」
そういって笑いかけた。
菜奈はにっこり笑って、
「ありがとう!!大事にする!!」
と言った。
付き合って一か月が過ぎた。
「もうすぐ受験だよー。」
そういってきたのは理奈だ。
理奈には最近彼氏ができた。
一つ下の同じ部活の後輩だ。
今はその彼氏にメロメロらしい。
「そっか…。あたしら受験生だね…。」
菜奈はため息をついた。
そして気が付いた。
受験…つまり大樹とは違う高校になる…?
当たり前だ。
大樹は学年一の秀才だし、それに比べ、菜奈は真ん中位だ。
同じ高校になど進めるわけがない。
そんなことわかっていたはずだ。
分かっていたはずだけどそう考えてしまうとなんだか切ない気持ちになってしまった。
「ねぇ大ちゃん、大ちゃん高校どこ受ける…?」
菜奈は大樹に思い切って聞いてみた。
「う~ん…K高校かな…。菜奈は?」
やっぱり…。
頭いいところ行くんだ…。
しかも男子校…。
「私は…まだ決まってないかなっ。」
菜奈はそういって微笑んだ。
そして言い聞かせた。
離れるのは寂しい。でも信じてる。大ちゃんの事信じてるから、頑張ろう。…と。
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