名無し 2012-10-29 16:00:09 |
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いよいよ今日は芸術祭当日だ。
菜奈はとても緊張していた。
今日はクラスで一致団結して参加できる最後の行事だ。
歌は完璧。
調子は…良い!!
劇…まぁまぁ出来上がってきている。
あとは失敗なく本番で歌うだけだ!!
リハーサルでは、劇の練習が行われた。
スポットライトの位置、バックの位置、言葉…。
すべてが最終チェックとなった。
そして始まった本番。
開会式では校歌を歌う。
菜奈の中学校の校歌の歌い方には特徴がある。
みんなで肩を組んで歌うのだ。
その時菜奈の隣にいたのは…大樹だった。
「え…肩…組むの…?」
菜奈はオドオドしながら大樹に聞いた。
「いや…わかんないけど…」
大樹もさすがにオドオドしていた。
すると理奈が隣から、
「組むんじゃない?ほら!!」
と強引に組ませてきた。
菜奈は恥ずかしかったし、こんなに大樹に近づいたのは初めてでうまく歌えなかった。
いよいよ菜奈たちの番になった。
これでみんなで歌えるのも最後…。
自分の力を出し切って精一杯歌おうと大きく息を吸った…。
結果的に菜奈たちのクラスは2位で終わった。
7クラスあるうちの2位だからまぁいいだろう。
それでも優勝できなかった悔しさが胸に残る。
でもこれも思い出だ。
楽しんで歌えてよかったじゃないか。
菜奈はそう思い空に向かって微笑んだ。
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