AIRI☆ 2012-10-24 16:59:55 |
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『過去に戻って』
白い雪が降る日のことだった。君のまわりだけ雪が赤かった。忘れられない君が死んだ日の記憶。毎日のように見る夢。
もしも過去へ戻ることができるのならば、私は過去へ戻りたい。君が死ぬ前に戻って、君の運命を変えたい。また2人で笑いあいたい。しかし、無理なことはわかっていた。
「ユーカ、早く起きなさい!」
お母さんの声で私は目を覚ました。窓の外では雪が降っていた。あの日のように。
「今何時?」
「もう8時よ!」
「え!?」
私は急いで制服に着替えた。赤いチェックのスカートに、ブラウスとカーディガンにブレザー。私の大好きな上野沢中学校の制服だ。
「いってきます!」
そう言って家を飛び出すと、町は白に染まっていた。灰色の雲から真っ白な雪が降ってくる。今日はあの日からちょうど1年。
「お誕生日おめでとう、カイ」
つぶやき、空をみる。今日も1日が始まった。
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