咲楽 2012-10-06 21:25:22 |
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その日の帰りいつも通り自転車に乗るとカゴに手紙が入っていた。
「誰からだろ…」
ゆっくり開いた。彼氏からだった。
驚きはしなかった。手紙交換は普段していたからだ。でも…
「別れよう。ごめんね。」
少しドキリとした。
あぁ…また1人に戻るんだ…
またやり直しだ。不思議と悲しみはなかった。
6月下旬。
いよいよ修学旅行だ。以前よりいっちゃんとも仲が良くなった。
私はきっと気づいてた。いっちゃんがずっと心の奥にいたことを。
新幹線で真美に
「ねぇ、恵美の好きな人っていっちゃんでしょ?」
と聞かれた。
「え…?」
相当驚いた顔をしていたらしい。真美に
「図星だー」
と言われた。
「そうだね…。そう…。好き…。」
私は下を向いて答えた。
「やっぱりね…」
真美がため息をついた。
「実は私もなんだ」
「え…」
見上げた顔の先には少し微笑んだ真美の顔があった。
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