蒼空 2012-07-20 23:04:39 |
通報 |
―――――ウ゛ーッウ゛ーッ…
不意にポケットに忍ばせていた携帯が震えだした。
「ん?…兄貴だ。」
俺の頼れる存在。
こんな朝早くに、どうしたんだ?
「蓮、ちょっと電話出てくるわ。」
携帯を片手に、俺は廊下へ出る。
「ちょっ、理央ー?チャイム鳴るよー…。って、行っちゃった…。」
ピッ、と通話ボタンを押す。携帯を取り上げられるのは御免だから、人気のない廊下の奥の方に移動した。
「もしもーし、兄貴ー?」
「理央!無事か?!」
間の抜けた俺の声とは対照的に、兄貴の焦った声が響いてきた。
「は?無事って、まぁ学校には着いたけど。」
「まだ生徒には知らされていないのか?!…混乱があっても困るからか。だが理央、お前には伝えなければ!」
兄貴…一人で何焦ってんだ?いつも落ち着いてんのに。
「いいか?よく聞け。先ほど盟光学園に、爆破予告が送り付けられたらしい。でまかせかもしれんが、油断は禁物。最悪の事態に陥る前に、何とかしなければならない。」
…爆破予告…?!一体誰がそんなこと…
「もしかして…この前、駄菓子屋のアイスのおまけ棒を偽造したことをあの店のおばちゃん、気づいてやがったのか?!」
「そんなことしてたのか!って、違うに決まってるだろう!理央、もう一度言うが…。」
いつになく焦った兄貴の声音に、思わず笑ってしまう。いつまでたっても心配性だな。
「大丈夫だよ、兄貴。よくわかんねぇけど、とりあえず爆弾見つけて爆発止めればいいんだろ?それから悪党どもをひっとらえてボッコボコのミンチにする!」
ガッツポーズをして、俺は通話を切る。兄貴がまたごちゃごちゃ言っていたが、時間もないはず。一刻も早く爆弾を止めないと…。
トピック検索 |