蒼空 2012-07-20 23:04:39 |
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兄ちゃんからの電話を切って、俺はずっと固まっていた。
職員室、爆破___
「…なあ、とりあえずここからでようぜ。」
聖川の言葉で我にかえる。
俺が立ち上がったそのとき…
_____ガタッ
理科準備室のドアが開いた。
現れたのは…白衣を着た女性だった。
「君たち___!!」
見つかってしまった。
兄ちゃん、壊せなくてごめん…
俺は捕まると確信していた。
しかし彼女は叫ばずに、無言で俺たちを理科室のなかに引っ張っていった。
「おいっ、なにする…」
彼女は俺と聖川の手を離すと、振り返った。
「君たち、爆弾を壊しにきたんでしょ?」
透き通るような言葉に、俺たちは動揺を隠せなかった。
なぜ、知っている____?
「君のお兄ちゃんからいろいろ聞いたの。」
俺の心を読み取ったみたいに、彼女は答えた。
「じゃあ、理央の兄貴と知り合いなんですか…?」
「まあ、一応。」
聖川の質問に、軽く返した彼女。
眼鏡の位置をなおし、一呼吸おくと彼女は口を開いた。
「静かに聞いて。もう時間がないの。」
静かな廊下では、1時間目終了のチャイムが鳴り響いていた。
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