澪香 2012-07-05 22:43:03 |
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「未桜ー!急げー!」
ドアの向こう側から悠也が叫んでる。
「今いくー!」
私は、制服に着替えて悠也のトコへと急いだ。
「おせーよ!」
「ごめん!」
「別にいいよ、ほら…いくぞ」
悠也は私のカバンを持ち前を歩いた。
「……」
こーゆーさりげないトコが女子にモテるんだよね…。
「うわっ、やべ!」
「どうしたの?」
悠也は、時計を指差した。
時計の針は午前8時…。
「遅刻じゃん!」
「急げ!」
私と悠也は階段をダッシュで降り、そのまま玄関へ向かった。
「あら、未桜に悠君。朝食はいらないの?」
お母さんがリビングから顔をだし言った。
「いらない!いってきます!」
「そう、わかったわ。いってらっしゃい」
お母さんは手をふった。
「おい!後ろ乗れ!」
悠也は自転車にまたがっていた。
私はその後ろにヒョイと乗った。
「…しっかり掴まってろよ」
「うん」
私は悠也の腰に手を回した。
「………」
「…悠也?」
悠也は動かず、なぜか固まっている。
「…お前…胸当たってる」
「!?バカ!」
私は悠也の頭を叩いた。
何考えてんのよ…
「いてーよ!…ったく、いくぞ」
気を取り直し、悠也は自転車をこいだ。
徐々にスピードがついてくる。
風がとても気持ちいい。
私…今日で高3になるんだ。
今年で高校生活が終わる。
みんなと居れるのは今年で最後。
高校を卒業したらそれぞれの道へと進んでいく。
私は悠也をチラッと見た。
悠也とも、離れるのかな…。
未だに実感できなかった。
小さい頃から、一緒にいる悠也と離れるなんてね…。
「もうすぐでつくぞ」
周りを見るともう学校の近くまで来ていた。
「ギリギリ間に合うかもね」
「だといいけどな」
校門を通り自転車を置き、私達は教室へと急いだ。
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