あい 2012-04-10 21:25:08 |
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第二章 魔術界と科学界 第一話 時同じくして軍事部隊
4月17日 6時37分56秒 エクセミオール乾燥帯
『こちらβ班。そちらから奴らの様子が見えるか?』
右肩に引っ掛けている無線から声が聞こえた。
『えー。こちら陸軍歩兵部隊α班部隊長ガルベス。こちらからは伺えない。F-36航空部隊、そっちからはどうだ?』
俺は無線に話しかける。
『こちら航空編隊。武装集団は建物東側を占拠中だ。』
『捕虜は見えるか?』
『あいにくそっちの方は建物内部みたいだ。無理に建物を爆撃でもするとヤバイぞ。』
『こちらHQ。いま、建物のスキャンが完了した。捕虜は合計57名。東側の塔の地下に監禁されている。アウト。』
俺はその情報を確認すると振り返った。三人の部下達がこちらを見ていた。
「いいか、捕虜は建物内部、東塔に監禁されている。俺達は航空部隊の援護も受けつつ西側から奇襲攻撃を仕掛ける。マーキスは狙撃、ファバルは俺の援護、ガータは東側から捕虜の救出。何度も言うが、誤射はするんじゃねえぞ。去年の戦闘でお前(マーキス)の弾食らった時には死ぬかと思ったぜ。んじゃあ、行くぞ!!」
そう言って俺は、盾にしていた車の影から飛び出し、武装集団に気が付かれないように身を低くして塀の影へと移動した。
マーキスは空き家の屋上に向かい、ガータは東側に迂回した。
「β班。コネクト!」
俺は無線に呼びかけた。
「了解、α班。コネクト!」
その掛け声と共に、β班との脳内リンクが確立された。
「見張りの敵は5人。建物内部には20人。捕虜の監視に7人。ただの武装集団にしちゃあ、デカイんじゃないか?」
ファバルに言う。
「んだな。どっかから援助でも受けてるんじゃないか?」
「例えば?」
「んなこた~知らんよ。自分で考えな!」
「ったく。お前も相変わらずだな。」
俺は弾倉を銃に取り付けた。
「お!HKI418じゃねえか!最新型か?」
「あぁ。こいつは従来のHK417とは違って装填数も30発から40発、発射速度も700発/分にパワーアップしている。おまけに反動軽減装置と自動消音装置付き さ!」
そう言って俺はボルトを引いて弾を装填した。
「まあ、7.62×51mm弾って所は変わらないけどな!」
そう言って彼もHK417に弾丸を装填した。
『HQより各部隊へ。これより作戦を開始する。』
その無線を聴き、俺達は敷地内に突入した。
◆◆◆
ダーーン!!
銃声と共に崩れ落ちる敵兵の骸。
俺はそれを見届けるなりため息をついた。
兵士の防具に目が止まった時、俺は目を疑った。
その骸にはあってはならない物がついていた。
「おい!ちょっと来てくれ!」
ファバルを呼ぶ。
「どうした?腹でも下したか?」
「いや、そうじゃねーよ。これ見てくれないか?」
「ん?これって……。」
ファバルもこれには驚いた。
「俺達には手におえねぇな。」
ため息をつきながら俺はいった。
「上には報告しとくか?」
「いや、これは俺とお前の秘密にしとこう。上の奴らも取り込まれてる可能性があるしな。」
そう言って俺は五角形のピンバッチを服のポケットにしまった。
現在4月17日 9時48分03秒、SGSU陸軍部隊長のガルベスも重大な出来事に巻き込まれよおとしていた。
続く。
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