鐐乱 2012-01-25 23:01:14 |
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僕は一瞬、何だ?と、不愉快な表情で父を見上げたが、父の表情から察するにこの後父が何を言うのか僕は答えが出ていた。
まるで相手の心が分かるように―。
頭の中で父の表情に呆れつつ、僕は父が僕目がけて言葉を発するのを期待もせずに待っていた。
『さぁ、行こうか!』
にこっ!
『母さんもお前に待ちくたびれていたところだ!』
にこにこっ!
『さぁ、行く準備して…ねっ!』
にこにこにこにこにこにこにこにこっ...!
僕はその言葉を軽く聞き流しながら、心の中で父に向かって哀れんだ口調で言い募った。
「嗚呼、またあんたは自分を止められなかったか。」
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