僕と円は玄関に向かった。大人達に、特にお母さんに会わないように僕達は早足で廊下を移動する。 幸い誰にも会わずに玄関に着くことができた。素早く靴を履くと玄関を出た。家の中から大人達の話し声や笑い声が聞こえた。一際大きな声を出しているのは僕のお母さんだった。 誰も僕と円が家を出たことはきづいていない。 僕は円の手をとって小走りで門を抜けた。