青葉 2012-01-06 22:03:27 |
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青葉:確かにそれも気になるね。
木山:それについての話の口火を切ったのはナイトメアだった。
その昔に人間の誰かが、ナイトメアという存在を想像したのよ。それが誰なのかは判らないわ。でも、それは想像以上の何物でもない。本当の意味であたし達ナイトメアを生み出したのは、想像にすぎなかったあたし達を必要とした人間達ね。必要として、あたし達ナイトメアを具現化した人間がいる。人間の中には、悪魔という負の存在が必要なのもいるのよ。
まず、ナイトメアがそう言った。
青葉:ちょっと待った!
いくら必要だからといって、想像上の悪魔を現実に創り出せるものなの?それに、悪魔を必要とする人間って、どんな人なの?
木山:必要だとそんなことが人間には出来るんだよ。現実に無いものを有るものにする能力が人間にはあるんだ。例え、それが悪魔のような存在でもな。
青葉:どうやって?
木山:それは俺には解らないさ。でも、創ろうと意識しているわけではないんだろうな。と言うか、創った本人達も自分達が生み出したとは思ってないんだろう。思いが強ければ、そして思う人数が多ければ、それだけで出来るんだと思う。
青葉:よく解らない。
強く存在して欲しいと思うと、実際に存在するの?それが人間の能力?
木山:もしかすると悪魔を必要としているたげてなく、存在を一切疑うことなく信じていると、具現化させることが出来るのかもしれない。
青葉:それが、人間の能力?
木山:ナイトメアとの会話のどこかで、
想像と創造はイコールになる時がある。それが、あたし達には真似できない人間の能力ね。
と、言っていた。この言葉から考えて、俺はそうだと思ってるんだ。
青葉:とりあえず、それはそうだして、悪魔を必要とする人間って?どんな人達?
木山:それは、たくさんいるだろうな。
悪魔祓いの類いは世界中のどこにでもいる。悪魔祓いは、悪魔がいると信じているから悪魔祓いをやってるんだ。つまりそれって、悪魔祓いは悪魔を必要としているということになるだろう。本人達がそれを意識はしていないだけで。いなければ存在意義がない。需要がないからな。
青葉:全ての悪魔祓いが、悪魔の存在を信じてるわけじゃないと思うよ。金稼ぎの為に悪魔を信じている人を相手に悪魔祓いをやってる輩もいると思う。
木山:それは、いるだろうな。でも、そんな奴は悪魔祓いではなく、詐欺師の類いだ。それは、また別の話だろう。
それから、悪魔祓いだけでなく、悪魔を必要としてる人達はいる。世界にはたくさんの信仰があるけど、悪魔信仰だってあるんだから。
青葉:悪魔祓いは無意識に悪魔を必要としているのか。そうかもしれない。でも、多人数が、必要としていて存在を疑わないだけで想像したものを具現化なんて本当に出来るのかな?
木山:ナイトメアはそう言った。そう俺は思っている。それに、貘もその意見を否定はしなかった。それどころか同調して話をしていたんだ。
青葉:でも、人間にそんな能力があるなんて信じられないな。
木山:それは、仕方ない。非現実的な話だと普通は思うだろうな。でもな、青葉が信じないのは、人間にその能力があるかどうか、ということじゃないと思うな。
青葉:?
木山:別に責めているわけじゃないけど、青葉は悪魔や貘の存在を信じていないんじゃないか?ひいてはこの話を信じてないということじゃないか?
青葉:そうかな。
木山:青葉は、あり得なさそうな話でも理解があるスタンスでいるけど、結局は自分の常識の中で判断しているんだと思う。
青葉:信じられないと思う話を何度か今まで聞いてきたよ。その中には創作もあったと思う。だから、納得いかないことは訊いて納得したいんだよ。信じたいからこそね。
でも、自分の常識で聞いた話の真実味を測っているのは確かだね。
木山:現実に悪魔を感じている人達はいる。その人達にとっては悪魔が存在することが常識だ。
例えば、アフリカの中では悪魔祓いの権威が非常に高い地域がある。医療さえも悪魔祓いが司っている。そこでは病気は悪魔の仕業と考えられているからな。白人の医師がそこで医療活動をしていても、地域の人達は悪魔祓いの言葉の方を信じて病人を悪魔祓いの所に連れていく。白人の医師の所に行けば直ぐに治るかしれないのに、悪魔祓いを頼る。それは、つまり悪魔を日常感じているからじゃないか?
青葉には青葉の常識があるけど、その人達にはその人達の常識がある。誰の常識が真実かなんて判断できることじゃないだろう。それどころか、月並みなセリフだけど、真実なんてあるのかすら判らないと思う。
青葉:そうだね。ならば、疑問を感じるより話を聴くのが正解だね。
人間の中には悪魔という負の存在が必要な人もいる、とナイトメアが言ったところから。
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