十六夜 2011-10-30 23:38:07 |
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結局、行き着く場所が屋上しかなかった。
昼休みが終わり、生徒達が校舎に入っていっている。
そして、何か揉めてる様な声が下から聞こえてきた。
葎(また騒ぎか…。この学園は揉め事が好きなのか…?)
と、フェンスから上半身だけを出し下を見てみた。
どうやら校舎裏のようだ。
暗がりでよく見えない。
が、分かるのは…人が4・5人ほどいる事だ。
1人を囲んでいるらしい。
美央「ちょ…やめろ!離せ!」
そして聞こえてきたのは
またしても…アイツの声だ。
まぁ、大体の状況は理解できた。
正直…助けに行くのは面倒だが…
ここで見てみぬ振りをするのは後味が悪い。
葎「はぁ…。俺もお人好しだな…。」
屋上にある非常階段からそのまま下に下りられるのでそれで行こうとすると、
葎「鍵か…。」
そう。鍵が閉まっていた。
葎「面倒だ…。」
バキッッ!!
旧型の南京錠だったので脆く壊れた。
そのまま扉をこじ開け3階まで降りるとそこから一気に下に飛び降りた。
ドスッ!
生徒A「な…何だ!?」
生徒B「何か降って来たぞ!?」
葎「いってて…。やっぱりこの高さじゃ…痛いか。」
美央「お…お前…。」
葎「人助けは趣味じゃないんだけど…。まぁたまには良いか。」
生徒A「ふざけんじゃねぇぞ!」
ブンッ
葎「ふざけんなはこっちの台詞…。」
ドスッ!
生徒A・生徒B「ぐほっ!」
1人ぶっ飛ばしたらもう1人も巻き込まれた。
葎「普通にしてれば俺も手は出さなかったのにな…。」
シュッ!
生徒C「グ八ッ!」
生徒D「くたばれ!」
ゴンッッ!
葎「イッタ…。鈍い音したし…早く済ませるか。」
グイッ!
ドンッ!
最後の1人に背負い投げを与え俺の周りは4人と無月だけ…。
頭から・・軽く血が出ている。
無月はどうやら無事らしいが多少まだ怯えてる。
半分ほど服が脱がされかけていた。
葎「ほらよ…。これ着て保健室でも行ってこいよ…。」
と、無月に制服をかけて声をかけた。
美央「なんで…お前は私の危ない時にいつもくるんだ…。」
葎「しらねぇよ…。助けないとスッキリしなかっただけ…。」
美央「その…また助けてくれたな…。ありがとう…//」
葎「別に気にしなくていいから…。」
美央「な…名前は?」
葎「葎…。」
美央「そうか…。では葎…ほんとにありがとう…。」
そう言って微笑んだ。
葎「どういたしまして…。それじゃあな、無月美央…。」
と、珍しく返事をしてから立ち去った。
美央(葎…。葎か…。)
美央は嬉しそうに借りた制服を眺めていた。
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